名古屋大学様のG30(グローバル30)国際プログラムは、国籍に関係なく、外国の教育制度に基づいた教育を受けてきた学生を対象に開講されました。2011年10月に一期生を迎えて以降、日本国籍の学生を含め、毎年50名前後の学生を世界中から受け入れてきました。
G30(グローバル30)は、世界的な人材獲得競争が激化するなか、日本の大学の国際競争力を高め、魅力的な教育内容を提供することで、能力の高い留学生を世界中から日本に集めようとしたものです。外国人留学生と日本人学生が切磋琢磨する環境を、日本国内に設けることで、国際的に活躍できる人材の養成を実現することを目的としました。
このG30国際プログラムとして始められたアジアの法律家養成プロジェクトで、名古屋大学法学部・大学院法学研究科様は留学生の学習を支援するために、国際標準のeラーニングシステムとして世界的な評価が確立しているCanvas LMSを導入されました。
Canvas LMSの優れたユーザインターフェースは教員や学生から高い評価を受け、その使い易さから、法学部全体の主力eラーニング管理システムとして活用されるようになりました。
名古屋大学法科大学院のICT利用 ~LMS・講義収録システム・STICS~
名古屋大学大学院法学研究科・教授
PSIM法実務技能教育教材研究開発コンソーシアム代表
藤本 亮 先生
法科大学院教育におけるLMS(Canvas)利用のための部内ルールの策定 … 2017年12月
日本で多く使われているオープンソースLMSにはMoodleやSakaiがある。名古屋大学法学研究科ではLMSの刷新にあたり、LMS利用が不得手な教員にも使い勝手のよいものという点とソースレベルでのメンテナンスや将来的なカスタマイズの容易性という視点で検討した結果、オープンソースでわかりやすくシンプルな操作画面を提供するCanvas というLMSを利用することにした。運用にあたり本来的に自由度の高いLMSたるCanvasを法科大学院という組織単位で学習支援に役立つレベルまでに引き上げるため、シンプルな部内ルール作りに取り組みFDで周知した。その結果、従前のシステムからのスムーズな移行導入と組織単位での利用に成功した。質問紙による調査では、Canvasの利用は、資料の配布、課題の回収、質問の受付などの合理化に役立てられていることが示唆された。こうした導入の経緯についての本論は、昨今の法科大学院におけるICT(情報通信技術)を活用した教育の普及の動きにも寄与しようとするものである。