前回の記事でCanvas LMSでオープンバッジ(世界標準規格のデジタルバッジ)が利用できること、それにより学習者のモチベーションアップやゲーミフィケーションの効果が期待できることをご紹介しました。今回は、オープンバッジをさらに積極的に活用できるラーニングパスウェイ(Learning Pathways)についてご紹介します。
ラーニングパスウェイとは複数の学習ステップから構成される学習経路のことです。資格取得や修了認定など最終的な目標ステップに辿り着くため、各ステップをどの順番でどのように進めるべきかをビジュアルマップで学習者に示すことができます。
パスウェイの管理者は、学習やトレーニングのプログラムに沿って、ステップとバッジを組み合わせて学習経路(ラーニングパスウェイ)をデザインします。
学習者が各ステップの要件として指定されたバッジを取得すると、次のステップに進むことができます。また、ステップを完了することでマイルストーンバッジ(進捗の目安となるもの)を受け取ることもできます。
Canvas LMSにパスウェイをLTI連携するとコースからパスウェイを確認できます。例えば、学習者がある目標のために複数コースを受講する必要がある場合、各コースからは学習の全体像が見えにくく、自分が全体から見てどのレベルに到達できているのか見失いがちです。そのような場合に学習者はパスウェイを確認して、自分の現在の立ち位置を見直すことができます。また、次のステップのバッジを確認することで、目標達成までに自分はどのコースで何を学ぶべきなのかを明確にすることができます。
コース担当講師やシステム管理者も各学習者のパスウェイ上での進捗状況やバッジの取得データを確認可能です。
大学のカリキュラムや資格取得の要件などを学習者に示す場合、一般的には表やフロー図などが使用されていて、複雑で把握しづらいものも散見されます。これらをパスウェイに置き換えるだけで、地図のように理解しやすくなり、学習者はリアルタイムで進捗確認しながら主体的に学習を進めていくことができます。
パスウェイの設計やステップの条件によっては、取得するバッジやステップを自分で選択することもできます。趣味の資格など嗜好性の高い学習であれば、双六のような感覚で楽しむ学習者がいるかもしれません。
さらに、複数のパスウェイで同じバッジを共通して使用できますので、ある一つのパスウェイで取得したバッジは他のパスウェイでも有効とすることができます。ある程度バッジを取得した学習者に対して他のパスウェイをレコメンドして、思いがけない新たな学習パスを提供することもできます。
複数コースを横断した学習フローを学習者に分かりやすく掲示したい。そのような時に候補の一つとしてラーニングパスウェイ(Learning Pathways)をお勧めします。