前回の記事ではオープンバッジ(世界標準規格のデジタルバッジ)とは何か、そのコンセプトについてご紹介しました。
今回はCanvas LMSでオープンバッジを利用する方法について具体的にご紹介したいと思います。
オープンバッジを管理するシステムには様々なものが存在しますが、Canvas LMSにこれらのオープンバッジのプラットフォームをLTI連携すると、コースからバッジを利用できるようになります。コースの受講生に対して、学習内容を証明するバッジをそれぞれの学習進捗に合わせて授与できます。
バッジはコース内で複数個授与可能ですが、自動的に授与する方法と講師が手動で授与する方法などがあります。
お勧めしたいのが自動的に授与する方法です。
予めコースの学習フローの節目となる箇所にバッジの授与条件を指定しておくと、この条件をクリアした受講生にバッジが自動的に授与されます。ページやファイルの閲覧といった緩い条件から、課題や小テストに対して一定スコア以上を求めるような厳しい条件まで、様々な条件を指定可能です。受講生はこれらの条件をクリアする毎にご褒美のような感覚でバッジを受け取ることができます。
人が何かを継続するために必要とされることは複数ありますが、中でも自分の行動に対するレスポンスがあることが非常に重要とされています。
学習者に対するレスポンスとして、課題・小テストのスコアや、講師・コースメンバーからのフィードバックコメント、また自身のスキルが上がってくることの実感等、さまざまなものが挙げられます。本来こういったレスポンスだけでも十分学習を続けるモチベーションとなる筈ですが、そこへ視覚的にわかりやすい「バッジ」というレスポンスがプラスαとして加わることで、さらに高い効果が期待できます。
美しくデザインされたバッジを次々と集めたくなる学習者も出てくるでしょう。そのような学習者にとって魅力的なのが「リーダーボード」と呼ばれるオプション機能です。リーダーボードではコース内で取得したバッジ個数のランキングを確認できます。
このようなバッジの利用は、ゲーミフィケーション(モチベーションマネジメントの手法、ゲームで利用される要素をゲーム以外の分野に応用することで、対象者は楽しみながら熱中して課題に取り組むことができる)の一つとして注目されています。
特にセルフラーニングのようなモチベーション維持が難しい学習スタイルにおいて高い効果を発揮します。
学習進捗が停滞しがちで、コースを最後まで学習できる受講生が少ない・・・そのようなコースについては教材内容やコースの構成を見直すことも大事ですが、オープンバッジの導入を考えても良いかもしれません。