Canvasテーマのカスタマイズでは、Canvasのデザインテーマをアカウントやサブアカウント毎にカスタマイズする方法についてお話しました。今回はその「アカウント」「サブアカウント」とは何かについてお話したいと思います。
Canvasサイトの運営は階層化された組織構造で管理できます。
Canvasの一番上の階層にはアカウント(トップレベル・アカウント)が一つあり、その下にサブアカウントとよばれる階層組織が複数ぶら下がっていきます。
例えば大学の場合でしたら、トップレベル・アカウントの「◯◯大学」にサブアカウントである「△△学部」がぶら下がり、更に「△△学部」のサブアカウントとして「◎◎学科」がぶら下がっているわけです。
更にCanvasのコース(科目)は各サブアカウントの下ににぶら下がります。
各学部の管理者、各学科の管理者というように階層ごとに個別の管理者の権限を細かく設定して権限委譲をする事が可能ですが、一つ注意しなければならないことがあります。
それはアカウントからサブアカウントへトップダウン方式で管理されるということです。
つまり、下の階層のサブアカウント管理者は、その上位のアカウントやサブアカウントの管理をする権限を持ちませんが、上層のサブアカウント管理者は、その下にぶら下がったサブアカウント全てを管理することができます。
上にあげた大学組織の例で説明すると
- 「○○大学」の管理者は全ての「学部」「学科」を管理できる。
- 「理学部」の管理者は「化学科」「物理学科」を管理できるが、「○○大学」や横並びの他の学部には管理できない。
- 「化学科」の管理者は「○○大学」「理学部」は管理できない。
というようになるわけです。
この特徴を活かして、それぞれのサブカウント毎に異なった権限を持つ管理者を配置することで
- 「理学部」の管理者だけ、コースにTAを自由に追加することができる。
- 「科学科」の管理者は授業そのものには関係しないので成績の編集はできないようにしたい。「物理学科」の管理者は授業関係者なので成績の編集ができるようにしたい。
のように、サブアカウント毎に管理方法(機能毎の細かい権限制御)をカスタマイズすることができます。
サブアカウント(組織単位)への管理権限だけなく、問題バンク(統合された問題集:小テストの設問データベース)や成果(アウトカム)、注釈(ルーブリック:評価基準表)などのコンテンツもトップダウンで管理されるので、上の階層で作成したコンテンツを下の階層で共有することができます。
ですから、化学科と物理学科でクイズの問題を共有したいような場合は理学部の問題バンクに問題を作成すれば良いというわけです。組織の階層を意識すれば教育コンテンツを有効に使いまわすことができますね。