Canvasには掲示板として利用できるディスカッション機能があります。
学習を持続するために欠かせないのが、講師と受講生、双方向の密なコミュニケーションであると言われています。また受講生同士でコミュニケーションをとることも、学習活動における問題の共有やモチベーションアップなどに高い効果があるとされ、近年では特に学習活性化の手法として期待されています。
しかし、オンラインの学習ではフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが取りにくいため、受講生からの情報発信が難しく、講師から受講生への一方的な情報発信に偏りがちです。
そこでおすすめしたいのがCanvasの「ディスカッション」機能です。ディスカッション機能はいわゆる掲示板のようなもので、テーマ(ディスカッショントピック)に合わせて講師や受講生が自由に意見を交換することができます。
コースメンバー全員でのオープンな話し合いから、参加者をセクションメンバーやグループメンバーに限定した話し合いまで使い分けが可能です。討論や意見交換など一般的な利用方法以外にも、コース開始時に受講生同士が掲示板上で自己紹介したり、授業毎に公開質問として利用したり、さまざまな活用方法があります。
トピックを作成するのは基本的に講師ですが、ディスカッションの設定によって受講生もトピックを作成可能にできるので、受講生主体の意見交換の場としてディスカッションを利用することもできます。
フォーカス型ディスカッション、スレッド型ディスカッション
ディスカッションの形式には、フォーカス型ディスカッションとスレッド型ディスカッションの2種類があります。
フォーカス型ディスカッションは単純なディスカッションです。テーマを決めた単純な話し合いや自己紹介、公開FAQ運営などに向いています。一方で、スレッド型ディスカッションは複雑なディスカッションです。時間をかけて複数の意見を平行で検討するような話し合い、例えば複数のアイデアを比較検討したり、複雑な研究結果を整理するような話し合いに向いています。
これら2つのディスカッション形式を目的に合わせて使い分けていきたいですね。
評価対象としてのディスカッション(Graded Disucussion)
ディスカッションは自由な意見交換の場として利用するだけでなく、成績評価の対象とすることもできます。これは評価対象のディスカッション(Graded Disucussion)と呼ばれるディスカッションです。点数設定や締め切り期日を指定して課題等と同じように扱うことができます。受講生は通常のディスカッションと同じように意見を投稿しますが、講師は受講生毎に投稿内容を採点画面(SpeedGrader)から参照し、採点を行います。
課題やクイズと違い、ディスカッションは評価手段としてまだ認知度が低く一般的に利用されているとは言えません。しかし、知識や思考力以外にも、聞く力や発表する力といったコミュニケーションの能力を評価する必要がある場合、評価対象としてのディスカッションは最適な評価方法の一つではないでしょうか。
Canvasのディスカッション機能を評価方法の選択肢として積極的に活用されることをご提案します。